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知りたい!口腔がん

みなさんこんにちは!歯科衛生士の庄野です。

朝晩の冷え込みが厳しくなってきましたが、皆さまお変わりなくお過ごしでしょうか?

 

今日は、「口腔がん」についてお話したいと思います。

数年前、メディア報道をきっかけに注目が集まった口腔がん。

この報道が社会に与えた影響は大きく、今でも口内炎がなかなか治らないと心配になり

歯科を受診される方がいらっしゃいます。

 

では、口腔がんとはどのようながんなのでしょうか。

口腔がんは、お口の中にできるがんの総称で、舌・歯ぐき・口腔底・頬の粘膜・口蓋・

あごの骨・唇など、歯以外のどこにでも発生する可能性があります。

中でも多いのは舌にできるがんで、約6割を占めます。

 

年代・性別では、60代以上の高齢者や男性に発症しやすい傾向がありますが、

最近は女性や若者の患者さんも増えてきています。

 

口腔がんは、初期の場合、痛みがありません。

たとえ痛みが出るほど進行していても、それをがんとは認識せず発見が遅れ、

重症化するケースが少なくありません。

 

進行した口腔がんは、患部を大幅に切除するため、移植が必要になり、

その後も化学放射線療法やリハビリが欠かせません。

しかし、早期発見することで、発音や発声に障害が残ったり、

再発するリスクが下がります。

 

がんは、その病変の大きさや深さと転移の有無によってステージⅠ~Ⅳに分けられます。

口腔がんは発見が遅れて重症化してしまうケースが多く、

進行したステージⅣの状態で来院される方が35.8%を占めています。

つまり、患者さんの3人に1人がステージⅣになってはじめて病院にきているのです。

 

一般的にがんの原因は、食事・生活習慣(お酒とタバコ)・ウイルスといわれていますが、

口腔がんではさらにお口の粘膜への慢性的な刺激が原因となります。

刺激が繰り返されるうち、粘膜の細胞に異常が起き、口内炎から前がん病変、

そして口腔がんになります。

 

ですが、口内炎がすべてがんになるわけではありません。

口内炎が前がん病変を経て口腔がんになるのはごくまれで、

5年以上の長い年月がかかります。

 

ではここで、前がん病変を見逃さないためのセルフチェックの方法をお伝えします。

自分のお口のなかを見る機会がいちばん多いのは自分自身です。

明るい場所でぜひチェックしてみてください!

 

★早期発見のためのセルフチェック★

生活習慣

□ タバコを1日40本以上吸う(または1日に吸う本数×喫煙年数が1000以上)

□ 毎日お酒を日本酒換算で3合以上飲む(ビール中ビン3本、酎ハイ缶3本、ワイングラス3杯)

□ 2週間以上治らない口内炎がある

お口の状況

□ 抜歯した傷が治らない

□ 入れ歯が当たってできた傷が治らない

□ 最近、歯が浮くような感じがする

□ 舌が動かなくなった

□ お口が開きにくくなった

□ くちびるや舌がしびれる

鏡でチェック

□ 白っぽいできものがある

□ 赤くただれたところがある

□ 触って硬いしこりがある

3つ以上当てはまる場合は歯科医院での検査をおすすめします。

 

また、口腔がんは慢性的な刺激が原因で発生することが多く、

むし歯や歯周病を放置することでがん発症のリスクが高くなります。

 

口腔がんの早期発見には、セルフチェックに加えて、

半年に1回は歯科で舌やお口の粘膜も診てもらうようにましょう!

お口全体の健康のために、定期的なメインテナンスを受けることもおすすめします。

 

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