こんにちは。
なないろの森歯科クリニック 副院長の三浦知子です。
今年は、梅雨明けが平年より早いという予想が出ていますが、梅雨が明けると、いよいよ夏本番ですね。
熱中症に気をつけなければならない季節が始まります。
熱中症対策として、スポーツドリンクやイオン飲料を飲むことが推奨されていますが、果たして、これは正しいのでしょうか?
大量に汗をかいたときはナトリウムを、重症の下痢・嘔吐時にはナトリウムやカリウムなどの電解質の補給が必要です。
その際によくすすめられるのが、スポーツドリンクです。
実は、スポーツドリンクは、経口補水液と比較すると、小腸における吸収率が悪く、電解質の補給としては、適切ではないことが分かっています。
経口補水液の成分の基本は、ブドウ糖2%です。
これは、水分や電解質において、点滴に近い吸収効果があります。
しかし、スポーツドリンクは、口当たりの良さ・飲みやすさのために、糖質を2~3倍多くしており、また本来必要であるブドウ糖ではなく、砂糖や異性化糖を使用しています。
病的脱水時には、この多すぎる糖質が、水分補給の邪魔となり、吸収が悪くなります。
その点、経口補水液は、適切な糖質量のため、胃から小腸への排出、および小腸から血管内への吸収が速やかに行われます。
CMなどの影響もあり、脱水時の飲料として、スポーツドリンクの良いイメージが確立されているように思いますが、特に、乳幼児に多用摂取することは、おすすめできません。
基本的な水分補給や、のどの渇きには、お茶や水で十分です。
スポーツドリンクやイオン飲料・清涼飲料水には、500mlのペットボトルに、スティックシュガー5~10本分の砂糖が入っています。
水分代わりに、これらをこまめに多飲すると、すぐにむし歯ができても、おかしくありません。常飲しないようにしましょう。
本格的な夏を前に、適切な水分補給について、今一度、正しい知識を持っていただきたいと思います。
ちなみに、経口補水液は、家庭でも作ることができます。
水1リットルに、砂糖20~40グラム、塩3グラムを加えてしっかり溶かすと、完成です。
砂糖は、ブドウ糖であればベストです。
ぜひ、お試し下さいね。