こんにちは。
なないろの森歯科クリニック 副院長の三浦知子です。
今回は、離乳食の食べさせ方についてお話します。
よく、育児書などでは、月齢ごとにどんな離乳食が適しているのかについて詳しく紹介されています。
しかし、正しい食べさせ方については、あまり記載されていません。
実は、離乳食の食べさせ方は、これから成長していく子ども達にとって、とても重要なポイントになります。
しっかり咬んで、きちんと飲み込むことで、子どものお口は正しく発達するのです。
離乳食の食べさせ方として、まず気をつけることは、お子さんの足をブラブラさせないことです。
お子さんがご飯を食べるときのイスは、足がしっかりつくものにしましょう。
まだ足が届かない時期は、箱などを床や足置きの上に置いて、足がつくようにしてあげて下さい。
しっかり咬んで、飲み込むためには、足がブラブラせずに踏ん張れることがとても大切です。
足を踏ん張ることで、正しい姿勢で安定して座ることができ、頭やあごの位置も安定します。
これは、離乳食の時期だけではなく、お子さんが成長しても続けるべき習慣です。
また、離乳食を食べさせるときに、スプーンを口の中に入れようとするのではなく、下唇に乗せて、お子さん自身が上唇を閉じて食べ物をお口に取り込むのを待ちましょう。
スプーンをお口の奥に入れて、上あごに食べ物をなすりつけるような食べさせ方は、してはいけません。
なかなか上唇がおりてこない場合には、そっと指で閉じてあげても構いません。
使うスプーンは、なるべく、くぼみの浅いスプーンを選ぶとよいでしょう。
「自分で口を閉じて、食べ物を取り込む」というのが「自分で食べる」最初のステップです。
上あごになすりつけるような食べさせ方をさせていると、上唇が発達できません。
いつまで経っても、お口をポカンと開けて、締まりのない口元になってしまいます。
上手に飲み込む訓練も、離乳食の時期にするべき大切なポイントです。
食事のときに、飲み物がないとうまく飲み込めないというお子さんがいますが、本来、お口に入った食べ物は、咬んだりつぶしたりして、自分の唾液とまぜて、ごっくんと飲み込むことが必要です。
うまく飲み込めないからといって、食べ物が残っているお口の中に、お茶などの飲み物を入れてしまうと、水分で流し込むような飲み方が身についてしまいます。
基本的に、食事のときは、お味噌汁やスープ以外の水分は必要ありません。
食べ物に含まれる水分と、自分の唾液で上手にごっくんできるようにしましょう。
水分で流し込むような食べ方は、大きくなっても習慣として残りやすいので、離乳食の時期に、飲み物でご飯を流し込むようなくせをつけないようにしましょう。
離乳食の時期は、栄養面や食事量はもちろん、お子さんの好みなど、いろいろと気を遣う大変な時期ではありますが、健康なお口を育てるためにも、正しい食べさせ方を実践してほしいと思います。
お子さんの歯やお口の悩みがありましたら、いつでもご相談くださいね。