みなさんこんにちは!
歯科衛生士の庄野です。
先日、久しぶりに一人でセミナーに参加してきました。
歯科衛生士になりたての頃は、とにかく知識を増やしたくて様々なセミナーに参加していました。
結婚し、子どもが出来てからは、自分の勉強に費やす時間がめっきり減ってしまい、
積極的に何かを学ぼうとする意欲も以前より確実に衰えてしまっていました。
そんな私が久しぶりに「このセミナー受講したい!」とすぐに申し込んだのが、
予防先進国スウェーデンから来日されるブリギッタ先生によるPMTCクリニカルコースです。
ブリギッタ先生は、PMTCの提唱者であり、世界的な歯科疾患予防の権威として知られる
ペール・アクセルソン博士の右腕として働き、30年以上臨床・研究に携わってこられた歯科衛生士です。
セミナーの講師をされながら、今も現役でクリニックにお勤めです。
そんなブリギッタ先生から直接指導していただけるとあり、
全国から歯科衛生士が集まっていました。
午前は、いかにして歯を健康なまま残していくのか、
30年にわたる臨床研究で得られた貴重な症例を交えながらお話してくださいました。
午後からは、3人1組で実習を行い、ブリギッタ先生に直接指導していただきました。
そもそも、PMTCって何?
と思われている方もいらっしゃると思います。
簡単に説明すると、PMTCはプロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニングの略で、プロ(歯科医師や歯科衛生士)が専用の機械を使って行う歯のお掃除の事です。お掃除と言っても、たた闇雲に歯面を磨くのではなく、リクスのある部位に選択的に行う処置です。
歯面に強固に付着した病原性プラーク(歯垢)を除去することで、
虫歯・歯周病を予防します。
ブリギッタ先生はそのPMTCの正しいやり方を講義してくださいました。
ですが、それ以上に何度も繰り返しおっしゃっていたのは、患者さん自身のホームケアが何より重要だという事。
私たち歯科衛生士が行うメンテナンスは年に4回程度。
残りの361日は患者さん自身でケアを行っています。
そのため、お家でのケアが不十分なままでは、 虫歯も歯周病も予防出来るはずがないのです。
そこで最も重要なのが、歯と歯の間のケアです。一番虫歯・歯周病のリスクが高く、歯ブラシでは除去出来ない部位です。
ただ、悲しいことに、フロスや歯間ブラシを毎日している人はごくわずか。
だから、毎日歯ブラシで歯磨きを行っているにもかかわらず、
虫歯・歯周病がなくならないのです。
私たちは歯科医院にこられた方に、ただクリーニングをしてお帰りいただくのではなく、 患者さん自身がご自分のリスクを知り、リスクに対する対処法を一緒に考え、 それをご家庭でも行えるようサポートしています。
そして、患者さんが学んだことをご家庭で実践し、それが習慣化してはじめて私たちは きちんと仕事が出来たと言えます。
虫歯・歯周病を予防し、一生ご自分の歯で何不自由なく楽しく過ごしていただきたい。
そのためには、私たちが前に出て一方的な治療やクリーニングを行っていては無意味です。
患者さん自身で口腔内に関心を持ち、自らの意志で行動を変え、予防していただく。
私たちの仕事は、それを常に近くで見守り、サポートすることです。
今回、セミナーに参加し、改めて歯科衛生士という仕事について考え、 その方向性を見失わないよう誇りとプライドを持って働き続けたいと思いました。
また、学ぶ楽しさも思い出しました。
このまま参加しただけで終わらないよう、インプットした情報はきちんとアウトプットして活かしていきたいと思います。
ブリギッタ先生がおっしゃっていたように、私もみなさんに自信を持って 「何歳からでも歯は守れます!」と言えるよう、日々精進して参ります。
歯科衛生士
庄野