こんにちは。
なないろの森歯科クリニック 副院長の三浦知子です。
今回は、保護者様からご質問を受けることが多い、小中学生のお子さんのお口ケアについて、お話させていただきます。
まず仕上げ磨きについては、お子さんが小学生になると、歯磨きは本人に任せて、仕上げ磨きをしていないという方もいらっしゃると思います。
しかし、小学生の間は、お口のチェックを兼ねて、仕上げ磨きをするほうがよいでしょう。
小学校六年生頃までは、乳歯から永久歯への生え変わりがあり、お口の変換期なのです。
この時期に正しい歯磨きができていなければ、生えたばかりの永久歯が、すぐにむし歯になってしまいます。
実は、小中学生の永久歯は、まだ構造的にもろく、未熟なのです。
できるだけ仕上げ磨きをして、大事な永久歯を守ってあげたいですね。
もちろん、お子さん自身が上手な歯磨きを習得することは非常に大切ですから、歯科医院などで歯磨き指導を受けることも必要です。
その際、歯質を強化するためにも、フッ素塗布をしてもらうことをおすすめします。
むし歯予防については、正しい知識を持つことが大切です。
例えば、朝起きたとき、ご飯を食べる前に歯磨きをしたほうがいいのか、ご飯のあとに歯磨きをしたほうがいいのか、というと、後者になります。
食べ物を洗い流さず、そのまま歯に残っていることが一番よくないからです。
食べカスには糖質がたくさん含まれていて、むし歯の原因菌に利用されて酸をつくり、歯を溶かします。
朝起きたときのお口には菌が多いので、うがいをしておき、朝ご飯のあとで丁寧に磨くようにしましょう。
また、甘くない食べ物ならむし歯にならないというわけではなく、甘くなくても、ポテトチップスのように、炭水化物で出来ているものは、分解されて糖類になります。
ということは、十分むし歯になるリスクがあるということです。
甘いおやつを食べていなくても、歯磨きを怠っているとむし歯になりますので、常に清潔なお口を保ちましょう。
小中学生の時期にむし歯にならずにいられることは、その先のお子さんの歯を守っていくための、大きなカギとなります。
歯並びについては、要治療と判断されるお子さんが非常に多く、遺伝だけではなく、食習慣や生活習慣にも原因があると考えられています。
矯正治療が必要であれば、前歯が生え変わってくる、小学校低学年ごろから始めることが理想です。
この時期であれば、歯並びに影響するいくつかの要素を改善し、簡単な装置を使うことで、お子さんへの負担が少ない矯正治療が可能になります。
中学生以降から始める矯正治療では、治療に使用する装置が複雑になり、抜歯を伴うこともあります。
そのため、できるだけ早い段階で、矯正治療の必要性を見極め、顎の成長期を迎える6歳~10歳で治療をスタートできればいいですね。
きれいな歯並びは、むし歯や、将来の歯周病のリスクも軽減できます。
お子さんの歯並びについてご不安のある方は、早目に歯科医院でご相談されるとよいでしょう。