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食と健口

テレビやネットには「◯◯を食べるといい」といった食と健康に関する情報が溢れています。

こうした情報にみなさんとても敏感で、さっそく試してみたというお話を耳にすることも。

では、からだによい食べ物を摂るために不可欠な「お口の健康」についてはどうでしょう?

まだまだ関心が低いように感じます。

 

からだにいい食材選びも大事ですが、それをよく噛んで食べられるお口の健康の大切さも決して忘れないでほしいと思います。

お口の老化は50代前後から徐々にはじまります。

若い頃から定期的に歯医者さんでメインテナンスを受けている方は、高齢になっても数本の喪失ですみますが、

痛い時だけ来院する患者さんは60代、70代で急激に歯を失って、一気にお口の老化が進行します。

 

70歳以上の約4割の方が噛む能力に問題を抱えているというデータもあります。

あなたの将来はどうでしょう?

 

噛む能力は栄養摂取に大きな影響を与え、高齢者のからだの衰えの一因として、

「噛めないことによる栄養不足」が重大視されています。

 

歯が悪くなると食べられない物が徐々に増え、それが栄養の偏りの原因になります。

食べにくい物を避け、食べやすい物ばかり箸が向くようになると、食の好みまで次第に変わってしまいます。

噛めない人の食事は、糖質過多になりやすく、肉が食べづらくなるため、たんぱく質不足に陥りやすいという特徴があります。

 

健康なからだの維持に欠かせない栄養素が全体的に不足すると、「低栄養」といわれる状態になります。

低栄養状態になると、体重が自然に減ったり、体力や免疫力の低下、運動能力の低下を引き起こします。

メタボばかりが注目されがちですが、じつは「低栄養」は高齢者の自立度を低下させる大きな問題なのです。

また、噛めるお口のは、低栄養の予防はもちろん、認知症の予防にもたいへん重要です。

 

「老後も自立した生活を続けて、できるだけ長く元気に過ごしたい」と願うなら、食べる物に気をつけるだけでなく、

よく噛んで食べられるお口を維持するために気を配ることもとても大事です。

 

若い方も「そのうちに」と問題を先送りにせず、必要な歯科治療はしっかりと受け、

治療後は健康な状態を維持できるように定期的なメインテナンスを受けられることをお勧めします。

 

私たちの健康は、私たちが意識している以上にお口の健康の影響を大きく受けています。

いつまでもイキイキと楽しく過ごしていただくために、大切な歯を一緒に守っていきましょう!!

 

なないろの森歯科クリニック
歯科衛生士 庄野

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