こんにちは!
なないろの森歯科クリニック 歯科衛生士の庄野です
近年、食に関する関心が高まり
「食育」というワードを目にする機会も増えました。
文部科学省では、「食育」とは「子どもたちが食に関する正しい知識と望ましい
食習慣を身につけること」と定義されています。
つまり、生きるうえでの基礎となる、基本的な食事を学ぶ教育のことで、
家族で一緒に食事をしましょう!
朝食をきちんと摂りましょう!
栄養バランスを考えましょう!
などがよく話題に上がります。
私も1歳の娘に健康的なバランスのよい食事をと考えています。
ですが、実際は好き嫌いや丸呑み、むら食いなど、
せっかく作った食事を思うように食べてくれないといった悩みを抱えています。
当院にお越しのお母様方も同じような悩みをお持ちのようで、
偏食やむらがある・食べるのに時間がかかる・食事中に遊んでしまうなどなど。
幼児健診などでは、子どもの食育や食事指導というと、栄養バランスに関する指
導が一般的なようです。
しかし、「何を食べさせるか」という問題以前に、食べてくれないとなると、
「食べる機能」の問題になります。
そこで、食育で見落とされがちな「食べる機能」について少しお話したいと思います。
こどもの「食べる機能」は、おっぱいに吸い付く力のように生まれつき備わって
いるわけではありません。
離乳食がはじまってから、毎日の食事の中で育まれる力なのです。
偏食や食事に時間がかかる、むら食いや遊び食いといった困りごとは、
「食べる機能」とつながっていることも多く、「食べる機能」を見直すことで
問題が解決するかもしれません。
育児書などを参考に離乳食を始めると、月齢より遅れていることにストレスや焦
りを感じる方もいるでしょう。
誰でも得意不得意があるように、食べることが苦手なお子さんもいます。
歯が生える時期に個人差があるように、「食べる機能」の発達にも個人差があり
ます。
お子さんのお口の準備が整うまでゆっくり・のんびり待ってあげましょう。
《 お口の準備のチェックポイント! 》
◆ 離乳初期(5,6ヶ月~)下くちびるをクルンと内側に巻き込んで食べる
・お口に指を持っていくとチューチューと吸う
これは原始反射が残っているサインなので、離乳食開始にはまだ早い
・離乳食を食べたがらないときは、2週間ほどのお休みをおすすめ
◆ 離乳中期(7,8ヶ月~)舌で上あごに押し付けてつぶす
・お口の奥にスプーンを突っ込んだり、上くちびるの裏に擦り付けるように
食べさせるのはNG
スプーンの横側からお口の前のほうに入れ、くちびるが閉じるのを待つ
・モグモグしていても、噛んで食べられるようになるのはまだだいぶ先です
◆ 離乳後期(9ヶ月~)下あごを左右に動かし噛んで食べる 歯ぐきで噛む練
習の時期
・自分で食べたがる時期
上手に食べられるようになるための訓練の時期
食べる意欲がそがれないよう、手づかみ食べをしたがるときはできるだけ
任せる
・離乳食の進め方が急だと、噛めずに丸呑みしたり嫌がって食べないことも
◆ 離乳完了期(1歳、1歳半~)食べ物を手で持ち、ひと口の適量を前歯で噛み
切る
・ひと口サイズに切って与えてばかりいると、かじり取りの練習ができない
・フォークで与えていると、お口の奥まで突っ込み、よく噛まずに飲み込む
クセがつきやすい
・手づかみ食べをする際、奥に詰め込むようであれば、軽く手を添えて適量
をかじり取らせる練習をする
また、食べる機能だけでなく、食べる意欲を育てることも大切です。
毎日忙しい中で、子どもに離乳食を食べさせるのは大変なことです。
自分の食事は二の次で、お子さんの食事の介助に専念し、気づくとお子さんが
「孤食」になってしまっていることも。
食事の時間を分けると、つい手伝いすぎてお子さんが食に対して受身になってし
まったり、食べさせるペースが速くなったり、怒ったり、せかしてしまった
り・・・・
一緒に食卓を囲み、おいしく楽しく食事をいただくことで、お子さんの食への好
奇心が刺激され、食べる意欲も育つでしょう。
また、乳歯が生え終わった3歳くらいからは、歯並びやかみ合わせ、むし歯や舌
の動きなどが食べることに影響している場合も。
お子さんの食事で気になることがあればぜひ歯医者さんにご相談ください。
なないろの森歯科クリニック 庄野